オリオン座流星群 2017
★ 星座のお話 ★
オリオン座にまつわる2つのギリシャ神話をご紹介します。
「女神が放ったサソリ」
オリオンは海神ポセイドンと女神エウリュアレの子供で、強靭な体を持ちながら類い稀な美少年でもあり、優れた狩人として名を馳せていました。
ある日、クレタ島で月の女神アルテミスと出逢ったオリオンは、矢の名手でもある彼女と意気投合。一緒に狩りをするようになったのです。
ところが、アルテミスの前でもやはり無敵を誇ったオリオンは、自分の狩りの腕前にうぬぼれ
「俺はこの地上でありとあらゆる獣を全て射止めてみせる」と、つい口走ってしまったのです。
それを聞いていた神々、特に、オリオンの野蛮さをきらっていた大地の女神ガイアは、堪忍袋の緒が切れてしまいました。女神ガイアは一匹のサソリを呼び出してオリオンに仕向けたのです。
無敵のオリオンでしたが、狩りの最中で足元のサソリに気づかず、刺されて死んでしまいました。そして、狩り仲間の死を悲しんだアルテミスの計らいによって、オリオンは天に上げられ星になったのです。
オリオンは星座になった今でもサソリを恐れ、さそり座が空に昇る頃になると慌てて西の空へ沈むのだそうです。
「光に向けられた矢」
オリオンは、海の神ポセイドンの血をひく美男子の狩人で、海の上を自由に歩く力を持っていました。
優れた狩人だったオリオンは、狩りをしに行ったクレタ島で女神アルテミスと意気投合し、いつしか恋心を抱くようになりました。
しかし、二人の仲を良く思わない者がいました。アルテミスの兄である、太陽の神アポロンです。なんとかして二人を別れさせたかったアポロンは、海の上を散歩しているオリオンを見つけてひらめきます。
そしてアポロンは海岸に妹アルテミスを呼びつけ
「いくら弓の名手であるお前でも、海の彼方に見えるあの黄金の的を射抜く事はできないだろう」と焚き付けたのです。
それを聞いたアルテミスは兄に負けじと矢を放ち、見事一発で命中させたのでした。
すると、その小さな光は波間に消えていきました。
ところが数日後、海に打ち上げられたのは、頭にアルテミスの矢が刺さったオリオンだったのです。アルテミスはアポロンの思惑に乗せられていたのでした。
愛する人を自分で手にかけてしまったと知ったアルテミスは深く悲しみ、その一部始終を見ていた大神ゼウスがオリオンを天に上げ星座にしました。
それ以来、アルテミスは銀色の月の馬車に乗り、愛するオリオンに逢うために夜空を巡っているのだそうです。